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ソムリエナイフの歴史や使い方解説
テコの原理でワインコルクを引き上げて抜く、折りたたみ式のコルク抜きソムリエナイフ。その歴史や各パーツの名称、使用方法や注意事項を解説。
T字コルク抜きの進化?
ソムリエナイフでコルクを抜く際、フックを開き、スクリューを引き出してT字にします。この形、皆さんもワインコルクを抜く際にボトルを股に挟んで、力を込めて上部に引き上げるT字型コルク抜きの形状を思い浮かべると思います。このT字型コルク抜きを原型として開発されたものだと個人的に思うのですが、その真相は明らかになっておりません。
ソムリエナイフの歴史
コルクにねじ込むスクリューが発明されてから約100年後の1882年、スペインのサグラダファミリア着工年と同じ年に、ドイツ・プファルツ州のカール・ヴィエンケ(Karl F.A.Wienke)氏によって折り畳み式コルク抜き(ソムリエナイフ)が世界で初めて特許を取得しました。
ソムリエナイフの名称について
「ソムリエナイフ(Sommelier Knife)」とは和製英語。それでは海外で「ソムリエナイフ」はなんと呼ばれているのでしょうか。
アメリカでは主に「ウエイターズナイフ(Waiter's knife)」もしくは「バーマンズナイフ(Barman's knife)」と呼ばれており、他に「ウエイターズフレンド(Waiter's Friend)」や「ワインキー(Wine Key)」と言う人もいるそうです。
フランス語では「ティル・ブッション(Tire-Bouchon)」と呼びますが、ヨーロッパのメッセ(見本市)会場では、ほとんどが英語で商談する事もあって「ウエイターズナイフ(Waiter's Knife)」のほうが意味が通じやすいように感じます。
ちなみにスクリュー(螺旋針)部分の英語は「スパイラル(Spiral)」か「ワーム(Worm)」、単に「Screw(スクリュー)」ともいいます。
ソムリエナイフ各パーツの名称

・フック、レバー | ボトルの縁に引っ掛ける部分。種類により2段式や、2枚式のものもある。 |
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・王冠用栓抜き | 一部のソムリエナイフに王冠栓抜きが付いてるモデルがある。 |
・ライナー | スクリューを挟む金属板のことで、強度と靭性が求められる。 |
・ハンドル | 天然素材や金属、カーボンやプラスチックなどさまざま |
・スプリング | スクリューとナイフを固定させるバネ板で、ソムリエナイフの最も重要な部分。 |
・ナイフ | フォイル(キャップシール)を切るためのナイフ。 |
・スクリュー | コルクにねじ込む螺旋状の針。テフロンや溝付きなどコルクへの抵抗を軽減する加工を施したモデルがある。 |
・ボルスター | 天然素材を採用したハンドルに多く見られ、クッションの役割もある。 |
ソムリエナイフ使用方法
フォイルカット用ナイフを引き出し、指でナイフ背部分をボトルに押し付けながらフォイル(キャップシール)を切り外します。
フック(レバー)を開き、スクリューを引き出してT字にします。
ハンドルを持ち、人差し指をスクリューに添わせ、コルクトップを人差し指先で押すイメージで、スクリュー先端をコルクに差し込みます。
ボトルに垂直になるよう立て、時計方向に回しスクリューをコルクにねじ込み、フック(レバー)先端をボトル縁に引っ掛け、フックを押しながらハンドルを上部に持ち上げコルクを抜きます。
コルクが抜けたら、コルクを時計方向に回しながらスクリューから外し、全て閉じて完了です。